【中村玄】のテイクアウト&デリバリーが好評で、店内飲食の売上を上回る日もあります。
それはそれで大変ありがたいのですが、やっぱり外食の楽しさを伝えたい！
 
外食の醍醐味っていったいなんだろう？
毎日家で料理をしている人はやっぱり外食は特別感があるし、大切な人との親睦を深める場であったり、あの店であの料理を食べよう！って決めたら何日も前からワクワクしたり。。たくさんの醍醐味がありますね。
 
我々飲食人としては美味しい料理や心地良い場所を提供するのは当たり前。
そして料理や店のストーリーを伝えていくのも我々の役割なのかなと思っています。
【中村玄】の「麻辣香鍋(まーらーしゃんぐぉ)」は約10年の歳月をかけて定着したメニューですが、知る人ぞ知るメニュー「麻辣香鍋湯(まーらーしゃんぐぉたん)があります。
わかりやすく言うと「麻辣香鍋」は汁なし火鍋、「麻辣香鍋湯」は汁あり火鍋。
でもただの火鍋じゃない。
 
「麻辣香鍋湯」のルーツは15年ほど前にブレイクしたコラーゲン鍋にあります。
当時【中村玄】は地鶏と蕎麦を出す店でした。
地鶏で大量にスープを作って冷蔵庫にしまっておいたらゼラチンを入れたみたいにプルプルに固まってしまったので、このまま鍋にして出したらコラーゲン感たっぷりで面白いんじゃなーい⁉︎って誕生したのがコラーゲン鍋です。
コラーゲン鍋を食べた翌日はお肌がプルプルってオシャレ女子の間で話題になり、コラーゲン鍋を出す店も増えてブレイクしました。
 
その後、【中村玄】は和食から中華に業態変更し、麻辣香鍋を命かけてアピールし続けたのですが、やっぱり冬はスープのある鍋を食べたいよねってことで開発したのが、麻辣香鍋とコラーゲン鍋の合体版「麻辣香鍋湯」です。
鶏でじっくり時間をかけて作ったスープの下に唐辛子、花椒や様々なスパイスを偲ばせています。
ポイントは野菜を素揚げしてから鍋に投入。
素揚げすることによって旨味が閉じ込められ、根菜類が鍋でも美味しく食べられます。
そこにキノコや豆腐や春雨などを自由にトッピングしてお肉をしゃぶしゃぶして召し上がっていただくのがオススメです。

我々飲食人が幸せだと思う瞬間は、お客様が出された料理を目や耳や舌で感じて本当に楽しそうに美味しそうにしている表情を見守ることです。
テイクアウトやデリバリーでお届けしてもそこまで見守ることができないのが残念です。

昨日からの緊急事態宣言延長で、外食を心から楽しんでいただける日がまた遠のいてしまいました。
20時以降もゆっくりしていただきたい思いは山々ですが、あと少しと思って踏ん張っています。
1日も早く心置きなく外食できる日が来ることを心より祈っています。